2010年11月18日

専門家の卵市場の暴落

専門家見習の市場価値が暴落している。

弁護士では司法修習生への給与を貸与制にする改正裁判所法によって11月から司法修習生は借金をしながら勉強することとなった。

会計士に至っては、試験を通っても会計士にはなれないかもしれない。試験合格者の約半数1000人が就職浪人する見込みとのことだ。

会計士も弁護士と同様、試験に合格した段階では見習いとして扱われる。会計士になるためには、監査か財務に関する実務を2年間経験する必要だ。つまり、就職できない限り会計士になることはできない。

双方ともに制度改革の影響を受けた。専門家の人数を増やすために試験を通りやすくした結果の供給過多だ。参入が相次ぎ超過利潤が無くなる低水準での均衡に陥っている。

今後は市場からの退出が相次ぐ。つまり、誰も弁護士、会計士を目指さなくなる。専門家の数を増やすための施策が逆に志望者を減らすのは皮肉だ。

混乱が治まるまでしばらく時間が必要となるだろう。受験者が減り、供給が細り、初めて業界は安定する。受験生の努力が笑われているかのようだ。

これは専門家の供給が不足しているという前提を間違ったための悲劇だ。論点設定をどうして誤ったのか。原因を把握しないとまた同じ失敗を繰り返す。
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2010年11月17日

自尊心から沸くモチベーション

ダニエル•ピンク氏はモチベーション3.0の中でモチベーションを保つには3つのものが必要だと説いた。自律性、拡張性、目的である。

この3つが満たされている行動には非常にやり甲斐がある。親が育児に、その重い負担にもかかわらず本気になるのは3つが完全に満たされているからとも言える。

一方、組織の中の仕事では3つのいずれかが欠けることが多い。自分の意図と異なる仕事をしなければならないこともあれば、自律性が全くないこともあり得る。

その時に大切なのは、社員に伸びている感覚を与える拡張性と、そこから沸く自尊心のマネジメントではないか。

今回の不況で多くの会社で仕事の効率性に見直しが掛かったことだろう。その見直しに際して社員の自尊心の保持に気を使えたか。

トヨタが残業についても少しずつ認め始めているらしい。仕事の非効率は当然改善するべきだが、今まで通りの品質要求の中効率のみを突然上げろと言われれば社員は混乱する。

戦略は何をやらないかを決めることでもある。一方的に社員に責任を押し付けるのでは長期的に成長の基礎を棄損しているとの認識が必要だ。


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2010年11月16日

価値のある情報ない情報

ひとつの情報が生死を分けることもある。映画ミュンヘンでは、ベルリンオリンピックでのテロへの報復が描かれていた。

主人公たちは当初こそ普段の面持ちで作戦を実行するが、物語が進むに連れて段々と笑顔が減ってゆく。様々な情報に振り回され、危険がすぐ隣にいることに気付いた時に主人公の心は壊れる。

あるものの情報が少ない時には、手に入った情報の質が直接結果に反映される。騙すも騙されるも情報次第だ。

金融庁が増資前後の空売り規制に関する議論を始めた。増資により希薄化する株式に気付けば、ほぼ無リスクで利益が出る。当然インサイダー取引として厳しく禁止されている。

ウェブ上に情報は溢れていると言われるが、情報自体が価値を持っているものは少ない。そして、価値のある情報には危険も同居する。

情報ひとつで結果が変わる。だが、機密情報に頼るより、一般情報の解釈に長ける方が長期的な視点からは良いのだろう。コツコツと情報を捌く経験を積み重ねようではないか。
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